その感動は、秋山兄弟が進学する際の、父子関係についてです。
学費無料の学校ができるという噂を聞きつけた秋山好古が、学務担当の役人である父に訊ねると、その話は出来ないと言われます。テレビではわかりにくかったのですが、原作では、まだ正式に発表されてもいないのに、自分の子供だけ特別扱いにはできないから、よその子供と同様に役所まで聞きに来いと、職業倫理のスジを通したセリフがあります。
一方、テレビでは、その当時の役所の様子が直接目に訴えかけてきます。お白州に引き出された罪人がお奉行様を見上げるほどではありませんが、好古も父を見上げなければなりません。仕事をしている最中の父、職業人としての父を、おそらくは初めて見上げた気持ちはどんなものだったでしょうか。原作を読んだ時には、そこのところを想像しませんでした。
これは私の読み込みですが、好古は感動したと思います。
彼の父は、息子たちを奮起させるためにわざと貧乏をしているのだと、言いわけか負け惜しみにしか聞こえないことを言っていたそうですが、役得で家計を潤すような父に育てられるより、貧乏の方がよほどましだと本気で思っていたかもしれず、その本気が好古に伝わったのがこの場面だったのではないでしょうか。そう考えると、目の前に公人として座っている父に向かって、
「後は家に帰って父に相談します」
という、ちょっとしたユーモアか嫌味にも取れるセリフが、
「父さん、あなたが守るべきスジをきちんと守っているように、私もこれからスジを通して生きてゆきます」
という宣言に聞こえてくるのです。
また、弟・秋山真之が奨学金を受けようとした時、
「お前はまちがっちょる!」
と叱るのも、父の生き方を自分なりに消化・発展させた姿に見え、一言の重みが増すように思うのです。
しかし、これは私の読み込みかもしれません。第一、好古にそんな感動を与えるには、父の姿があまりにも小役人的でありすぎます。原作でもそうですし、テレビの伊東四朗がペーソスを交えて見事に演じた姿もそうです。
また、父を見上げて感動したという文章も演出も、私には指摘できません。好古が場面の最後に見せた笑顔も、父の姿に感銘を受けたからというより、前途が開けたことを素直に喜んでいると見るほうが自然に思えます。
やはり、原作とテレビを混ぜ合わせてかってに作り上げた、ないはずの感動だったのでしょうか。
学問を学びたくて仕方ない信三郎好古は父親に詰め寄りますが
「年齢が足りん」と「けんもほろろ」です。
しかしどうしても学びたくて仕方ない信三郎好古、必死で父親に食い下がります。
・・・この伊東四郎演じる父親の胡散臭さも良いですし、息子とのこ芝居も良いですねぇ。
そのことを父に聞くと、家ではそんな話はできなかった。
代々秋山家は松山藩の徒士目付筆頭であるから、松山城にて久敬は息子から改めて聞く。
しかし、師範学校は10代後半からでないと入学できないということで、教師をしながら合格を目指すという道筋で大阪行きが認められることになった。
伊東四朗さん、おもろいわぁ〜。(^0^)
なんて、ユーモア溢れる、親父さんなんでしょう。
前半は親父さんのキャラで引き込まれました。
「そのほう 良き父を持ったな うひゃひゃひゃひゃ♪」
・・・って、自分でいうか。(^-^)
大阪にはタダで入れる学校があると聞き及んだ好古様、さっそくお父上に直談判。お父上は実は県庁学務課勤めの地方公務員に収まっていたのです。そもそもどうして息子に教えてくれてなかったのかしら?
そして問い詰める息子さんには一言、明日役所へ来いとだけ・・。水臭いような形式主義のような、でもお役人としては市民に公平で、考えてみたらずいぶん立派な方のような気がしてまいります今日この頃。ベンジャミン様、いい味出してますねえ〜〜〜。あしに働きがないのは子のためにしておると、自分のふがいなさをとぼけて煙に巻いてました。
県庁にやって来た好古様に対して、あくまでもお役人と一般市民としての会話を繰り広げてますベンジャミンお父上。タダで入れる学校、つまり師範学校は19歳にならなければ入れないから、それまでは小学校の先生をしてお金を貯めなさいと諭します。大阪で教員試験を受ければよいと。・・・ねえ、これを密室で自分の家中でやらないだけ、今のお役人よりよっぽど公正じゃないですか?
では大阪行きの旅費はどうなりましょう?そりゃあ私弁じゃな、どうする?父が何とかしてくれましょう。と親子のオトボケ会話コントが成立いたしまして候。ってなわけでお兄ちゃん・好古様は大阪へと旅立っていかれました。舟出のお別れお見送り、やっぱりロケがいいですねえ。
大坂にただの学校が出来たという話を聞いた好古。
父に直談判です。
しかし、父は、自分の業務に関することだとして「何もいえない。」と突っぱねます。
すると好古、自ら県庁の父を訪ね、聞くことに。
妙によそ行きの父。
でもしっかり方法を教えています。
「でも大坂行きの旅費は??」
「帰って父と相談します。」
「その方よき父上を持ったのぉ。」
目の前にいる父と子なのですが、
ここでは相談者として振舞った父と子。
なんか変な感じですね。
… … …
時間をかければ、もっと見つかるかもしれませんが…
原作を読んでいるかどうかをはっきり書かれていない記事が多くて…
考えてみれば当然なんですよね…。
誤算でした。
どうしたらいいんだろう。しばらく考えてみます。

